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2005年 05月 19日
今回の計画は(土地込みで3500万~4000万の予算しかない)という所から始まりました。なので、お客さんの探した土地を買うべきかどうかの検討も真剣!でした。建物の工事費は、敷地の様々な条件で大きく変わってしまうし、土地の値段によって建物の予算も決まってしまうので。設計者としては、土地の値段はほどほどにおさえ、建物に少しお金をかけて欲しいな、などと考えてしまいますが、お客さんの住みたい場所へのこだわりは変わりません。たくさんの敷地を見るごとに目も肥えて、(もうちょっと土地にお金をかけられるのでは?)なんて、思いが募ってきているようでした。なので、この土地を見た時(ぴったりの環境・立地で、この条件は他にはない!)と思いました。
次に工事費です。これは、お客さんが工務店を見つけてきてくれました。「予算は1200万円なんです」という厳しい条件であったのに、きちんと対応して頂きました。この予算については「規模が小さいので難しいですよ」と説明しましたが、数々ある(ローコストで家を建てた)という内容の本を片手に「1000万でも家が建つんだから」と主張されてしまいました。夢が膨らみすぎてしまう前に現実を知って頂こうと思い、基本設計の段階で平面図と立・断面図、仕上表だけで概算見積りを作成してもらいました。概算と言っても、きちんと数量も拾ってあり、工事費と材料・機器で分かれた正式な見積書と同じレベルの内容でした。(○○工事一式・・・○十万)といった概算ではありません。おまけに工事諸経費が明記され(工事費は原価だからそちらで安い材料や機器を探してもいいですよ)と言ってもらえました。早い時期にこの見積書があったお陰で、どこまでできるかという事がきちんと把握でき、それを設計に活かすこともできました。結局、最初の予算よりは高くなってしまいましたが、見積書の詳細な内容を見てお客さまも納得し、変更や追加は1回だけ。もちろん、その分は追加となりましたが最後まで順調に進みました。(オリジナルの門扉、設備配管の引き込み、工事諸経費、消費税込みで1521万円/延床面積26坪) 工事中も、図面よりも仕様アップとなるような内容で工務店側から変更の提案があっても、その反対はありませんでした。本当に丁寧に作って頂き、素晴らしい職人さんそして現場監督の力の集結がこの家なのです。多くの人が力を注ぎがんばれたのは、お客さんの熱意による所も大きかったと思います。それは(こんな家に住みたい。こんな暮らしがしたい)という純粋な思いです。 「見積書」というのは、実際に建物の建築の予定地があり、設計図があってはじめて手にすることができる物です。それが高いのか、安いのか、何が含まれているのか、という事も初めて見る方にはなかなか分らないでしょう。それを噛み砕いて説明し、妥当な金額かどうかチェックする事も設計士の重要な役割です。そして、きちんとした裏付けを持って工事会社と交渉することも。
by sakura_k0505
| 2005-05-19 23:01
| ・引越後
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